2020/08/03

あんたの為を思って・・

 

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『威圧』について・・

親が子供に言う、
「あんたの為を思って言ってるんだから」
という言葉がある。

僕自身も、過去に何度か母から
このセリフと共に説教を喰らった。

たぶん、どの説教も正しかったと思う。

こうして立派な大人になれたから。

そして母だけでなく、
普段は絶対に言わない父からも過去に二度、
この言葉を言われた。

どちらも進路を決める時だった。

そう、あれは僕の人生の分岐点、
とてもとても大事なタイミングだった。

ただ母の説教とは逆に、父の説教は、
正しいと思えるものではなかった。

とくに二度目の説教は・・

一度目は中学3年で進路を決めるタイミングだった。

僕が当初に決めていた進路は、
調理師の専門学校へと進む道だった。

元々料理人だった父の背中を追う形だった。

だけど父は、僕が決めた進路にやんわりと反対の意思を示した。

高卒の学歴が付与されるかどうかで選択できる仕事の数は大きく変わる。

この時点で選択肢を決めてしまうのはもったいないから、
とりあえず選択肢が多い道に進んだ方が良い。

父は数時間かけて僕を説得した。

あの父の話には説得力があった。

父は飲食業界に在籍していて、
その過酷さや収入の程度も痛いほど理解していたのだろう。

また僕の方も、本当は高校に行きたくなかっただけだった。

身体のニオイの悩みを抱えていた僕は、
ニオイを気にしなくてもいいような道を選んだ。
(調理師なら実習ばかりだろうと思った)

だからあの父の説得には本当に助けられた。

今でも深く感謝している。

二度目は高校3年で進路を決めるタイミングだった。

僕は就職するでも進学するでもなく、
「とにかく大阪へ行きたい」と言った。

すると父は、24歳で自衛隊に入隊した親戚の事を話し出した。

「彼は高卒で職を転々とした後に自衛隊に入隊した。
もしも高卒で入隊していたら今頃もっと出世していた。
それなら最初から自衛隊に行けばよかっただろ?という話だよね」

僕はそれに対してこう言った。

「でも、遠回りしたからこそ、
自衛隊に入隊したいと思ったんじゃないの?」

それに対して父は言った。

「そうかもしれんが”結果”は良くないよね?」

あの二度目の父の説得は、
僕の大阪行きの意思を確固たる決意に変えさせた。

あの時の父は、僕の気持ちを全く分かっていなかった。

どうして頑なに大阪へ出ようとするのか?
なぜ曖昧な進路にこれほど強い意思を示すのか?

その僕の気持ちが分からないから、
理詰めで説得するしかなかったのだろう。

不思議なもので、そういう親の説得は子供の心には響かない。

むしろ余計に自分の意思を強くするだけだ。

ただ、どちらの説得にも、心から感謝しているのは間違いない。

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