2019/06/05

再びゼロから始まる人間関係

 

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不登校ながら塾に通っていたおかげで、
高校受験はなんとかうまくいきました。

進学した高校は中学と地域が違いました。

中学は小学校の延長線上のような人間関係が多少ありましたが、
高校に進学するタイミングでみんな散らばった感じです。

おかげで同じ中学出身の同級生もそこまでいない、
大きな環境の変化を実感することができました。

同級生だけでなく先輩も僕の過去を知らない人ばかりだったので、
中学進学時以上のリセット感を感じられました。

人は何度でもやり直せるんですね。

 

新たなスタート、教室では窓際の席に配置されました。

授業中も休み時間も窓の外をずっと眺めていました。

新生活に期待も楽しみもありませんでした。

もうあまり人と関わりたくなかったのです。

とりあえず3年間、目立つことなく静かにここにいれば、
このうっとうしい集団生活とはオサラバできる。

そう考えていました。

ところが・・いつも一人でいる姿が逆に目についたのか、
何人かの女子が話しかけてきました。

高校のクラスは3年間同じメンバーでした。

男子より女子の人数の方が多くて、
女子たちは活発で元気がありました。

男子はその空気に押されおとなしく、
クラスで行う行事なども女子がリードする始末でした。

僕は誰とも話す気がありませんでしたが、
勢いよくしゃべりかけられるとなんとなく会話に発展してしまいます。

「ねえ?どこの中学出身なの?」

無視するわけにもいかないのでボソボソっとこたえていました。

高校生活が始まって最初の頃は女子とばかり話していたかもしれません。

窓を開けて窓枠に左肘をつき、
外側に体をのけ反らせる格好で相手と距離をとりながら話す。

そんなスタイルを確立させていました。

一人会話をしだすとまた一人、
また一人と自然と人間関係が構築されていきます。

当然毎日会う関係なので挨拶もするし、
一人一人の顔も名前も覚えてきます。

女子と話すようになると不思議と男友達もでき始めました。

友達の家に遊びに行ったり、一緒に帰るようになったり、
ちょっとした交友関係みたいなものができてきました。

少しずつ明るさを取り戻していきました。

小中学校の同級生がほぼいなかったので
過去をあまり気にする必要がなかった。

これはかなり大きかったと思います。

また、彼女ができました。

とても活発的な明るい子で、
僕とは正反対の星で生まれたような子です。

この彼女とは1年弱くらい交際しました。

このように、高校生活は当初の意思とは裏腹に進んでいきました。

 

人と関わりたくない、それは自分を守るためでした。

できるだけ傷つくことのないように、
できるだけ人目を感じなくて済むように。

一度関係が構築されると壊れる危険があります。

壊れるかもしれないという不安を感じることになります。

だったら最初から関係なんて作らないようにすればいい。

その空間に自分はいない、
存在していないように振る舞っていれば、
時間だけはちゃんと過ぎていく。

ノリが悪い、不気味だと周囲に思われていれば
誰とも関わらずに過ごしていけるだろう。

期待なんてしても裏切られた時に傷つきます。

期待しなきゃ裏切りもない、希望しなきゃ絶望もない。

何も欲しがらない、過度な期待は絶対にしない。

“無”が一番平和なんだと、いっちょまえに悟った気になっていました。

高校生活が始まる前に完璧なイメージトレーニングをしたつもりでした。

ところが実際に始まってみると、
なにひとつ自分のイメージ通りに事は運びませんでした。

話しかけられても別に無視すればいいのに、僕の口は動いていました。

“無意識は意識を超えて人の身体をコントロールする”

のちに経営のために「NLP(神経言語プログラミング)」という、
脳の取扱説明書といわれる分野を学んだことで、
この時期の自分に起こっていた現象を理解することができました。

 

中学時代の映像は、
冒頭の予告編だけカラーで流れ本編はモノクロというより真っ黒、
期待していた分裏切られた気持ちでいっぱいでした。

高校は同じ罠にひっかかるものかと決意したつもりでしたが、
いざ始まってみるとそこにどっぷりと浸っている自分がいました。

もしかすると高校生活って楽しいんじゃないか、
少しだけ期待するようになっていきました。

ただやはり、口習の不安は常にありました。

(この秘密がバレたらどうなるんだろう・・。)

人との関係が構築されるにつれて、
不安はより一層大きくなっていきました。

自分のいないところで
「あいつって臭いよね。」
みたいに言われている様子を
頭のなか想像したりしていました。

 

新しくできた男友達には他のクラスの子も何人かいて、
放課後になると一定の場所に集まってたむろする、
みたいなことがありました。

田舎なので学校外の公園・広場などです。

ある日、いつものたまり場に行くと、
友達の何人かがタバコを吸っていました。

 「吸う?」

 「うん。」

タバコは高校生活をエンジョイするための、
頼り甲斐のある、僕にとっては大事なパートナーたったのです。

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