2019/06/05

父の難病

 

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5年後・・

 

僕は起業していました。

脱サラして挑戦した国家試験の結果は不合格。

会社員時代に貯めた貯金は全て使い果たし、
3年年半という期間をかけ、自分なりに精一杯勉強した結果でした。

本当に一片の悔いもありません。

これ以上は無理というくらい真剣勝負でやりきりました。

その後、まさか自分が会社を興すとは・・。

普通の会社員の両親の元に生まれ、普通に学校を卒業し、
普通にサラリーマンとして働き、国家試験を取得して就職しようと考えていた自分が、
起業家という道に進むなんてまったく人生はどうなるかわからないものです。

そこには2つの大きな要因があったと思います。

まず“口臭は体質だ”と結論づけたこと。

僕はもうジタバタするのをやめました。

これ以上どうせ何をやっても無駄だろうと完全に敗北を認めました。

そして受け入れました。

自分はどうせ臭いやつなんだと、半ば開き直るような感じでした。

そしてもう一つは就職難です。

僕が受験していた国家試験は、
合格後に企業で実務経験を積む必要がありました。

しかしこの当時、「たとえ合格しても就職先がない」
という社会の状況に直面しました。

これは資格取得者を増やしたいという国の政策、
それを受け入れるだけの企業のキャパシティがない、
この両者のネジレが原因だったようです。

このあたりから僕の心には、
“引きこもっていたあの頃”のような
怒りがふつふつと湧き上がってきました。

「なんでこんなに他人に運命を左右されなきゃいけないんだ!?」

世の中にはどうしようもないことがあるのかもしれません

どうしようもないことを受け入れて
人は生きていかなければいけないのかもしれません

しかし僕はそんな人生が嫌です

どうしようもないなら自分でどうにかすればいい

 

口習が治せないなら口習を気にしなくてもできる仕事をすればいい。

合格しても就職できないような国家試験に3年半も費やし、
しかも不合格になったこんな人生を悔やむぐらいなら、
もっと最高な仕事をすればいい。

その結果僕は、「パソコン一台で起業する」
という道を歩むことになったのです。

 

この5年のあいだに父親が病気を患いました。

“治療方法の存在しない難病”

お医者さんからはこのように宣告されていました。

その病名は聞いたこともない、
長すぎてとても覚えられないような、
非常に珍しい病気だそうです。

父はそれまでにも仕事中に何度か倒れたことがありました。

その度に入院したり、自宅で体を休めたりして、仕事復帰を果たしていました。

ところが今回は母に度々の不調を訴えるようになり、
ついには長期入院が必要になりました。

当然ながら会社からは解雇宣告されてしまいました。

その症状の根本的な原因がわからず検査を繰り返すなか、
大きな病院で検査を受けた結果ついにこの病気ではないかと特定されたようです。

父がなぜこのような難病にかかってしまったのか?

明確な理由はわからないのですが、
納期の都合で激務が続いた時期があったそうです。

「治りません。」

お医者さんからはハッキリそう宣告されていました。

基本的には薬でその症状を抑えることしかできないのです。

父の病気の話を聞いた時はかなりショックでした。

(会社のために一生懸命働いた親父がなんでこんな目にあうんだ?)

非常にモヤモヤした気持ちになりました。

会社からは心ばかりの手当が支給されたそうです。

けれど会社のために一生懸命働いたから体を壊したのに、
働けなくなったらクビにされたわけです。

あまりに世知辛い話でした。

働けないなら仕方がないことなのかもしれない。

ただ・・憤りを感じずにはいられませんでした。

 

いまの僕ならこう言えます。

父が病気になったこと、それは僕にとって「運命」でした。

実はこの“父の病気”の存在こそ、
僕と口臭との戦争に終止符を打つ、
あるきっかけを誕生させたのです。

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