2019/06/05

15歳 たった一人きりの戦い

 

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「“臭い”なんて悩むほどの事じゃない。」

母のこのセリフは僕に大きな打撃を与えました。

口習で5年間悩んできました。

学校ではつねに友達の顔色をうかがってしまう。

明るく活発的だった自分の性格は変貌、
なるべく人と関わらないような人間になりました。

当然、望んでそうなったわけではありません。

人に迷惑をかけないために、
自分自身が傷つかないために、
自分で自分の人格を無理やり書き換えたのです。

それらの努力と苦悩を全て否定されたと感じて、
とても寂しい気持ちになりました。

 

母は、

「あんたの口は臭くない。」

ハッキリと言いました。

ここまでの母とのやりとり、
そしてこのセリフを聞いた僕は、
この時こう思ったのです。

(オレに嘘をついたな。)

自分の口習は自分でも認識していました。

「はぁ〜っ」と手に息をためてニオイを嗅ぐと「臭い!」
というたしかなニオイを感じていました。

それなのに臭くないだなんて・・。

(オレを学校に行かせるために無理やり嘘をついた。)

そう確信していました。

 

“親に相談しても解決しない”
“親は本当の事を言ってくれない”

こうして口習の悩みを誰にも相談できなくなった僕は、
もう誰にも相談することもなく自分一人で抱え込むようになりました。

(このままではマジでヤバいかもしれない・・。)

いまの自分の状態に冷静になる時があります。

現実逃避を楽しんでいても、
ふとした瞬間に現実を見なければいけない瞬間がやってきます。

中学3年生、このままずっと引きこもり状態で過ごし、
高校も行かないとなると、ちょっと引き返すことができなくなるかもしれない・・。

子供ながらに“世間”を意識していました。

高校に行かないと将来が大変そうなことはわかっていました。

ガキ大将から対人恐怖症へ、性格も相当ネガティブになってしまいましたが、
心のなかにはまだ小さな闘志が残っていました。

自分の現実に悲観しながらも危機感を感じた15歳は、自ら行動を起こす決断をしました。

 

(自分でなんとかするしかない!)

 

なにをしたらいいかなんてわかりませんでした。

けれどとりあえず、解決に向かって動いていこうと決意したのです。

いまだったらインターネットがあります。

「口臭 対策」みたいに検索をすれば
様々な情報を獲得することができます。

当時はまだネットがそこまで普及していませんでした。

ケータイを持っている学生なんて、相当なお金持ちだって感じです。

高校生になってiモードでゲームができた時には感動しました。

僕はまず、歯磨きをしっかりと時間をかけてやる事にしました。

もう歯についた汚れを全て落としてやる!ってくらい、
ゴシゴシゴシ!力を込めてブラッシングしました。

一日に何回も歯磨きをしました。

(オレの歯が汚いから口習があるんだ。)
(とりあえず歯磨き粉のニオイでごまかせばいい。)

口のニオイなので口の中をどうにかしようと思うのは当然です。

僕は小さいときに歯を磨く習慣を徹底していなかったのか、
虫歯が多く、治療跡もけっこうありました。

これまで歯磨きを怠けてきた習慣から変えようと思いました。

数日のあいだゴシゴシ!力を込めて歯磨きを続けたことで、
以前より口の中がキレイになったことを実感していました。

ところがしばらくすると歯茎から血が出てきました。

(あれ?なんでだ?血が出るって・・もしかして口の中を傷つけてる?)

正しい歯磨きだなんだはわかりませんが、
血が出るというのはマイナスなことのような気がしました。

流血するのはなんとなくマズイ気がしたのです。

また歯磨き粉の清涼感はあまり持続しませんでした。

歯磨きをしてから数十分間はミントの爽快感を自分でも感じられます。

でも時間が経つと口の中の香りは、
いつもの不快な香りへと変わってしまいます。

歯磨きしたすぐあとはまた人と話せそうな気がしますが、
時間が経ってその効力が消えると自信も一緒に消えてしまいます。

(歯磨きだけで口習を消すのは無理そうな気がする・・。)

すぐに限界を感じた僕は別の方法を考え始めました。

そんな時、いつも見ていた雑誌の“ある広告”の事を思い出したのです。

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