2020/08/03

あいつヤバくない?

 

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『侮辱』について・・

高校の時にいつも一緒にいた奴がいる。

よく二人で隠れて学校で煙草を吸っていた。

学校近くの公園で住民に通報された時、
警察からダッシュで逃げた思い出も共有している。

快晴の夏の日に学校をサボって海に行ったこともある。

だけど自分たちを”ニコイチ”だと思ったことないし、
周囲の人からそう呼ばれたこともなかった。

彼はとにかく他人をバカにする奴だった。

会話の10回に1回くらいは、
「あいつヤバくない?」
というセリフを言っていた。

いま、彼のような人物と出会ったら、
確実に友達になることはないだろう。

あの頃も気が合う奴というわけではなかった。

一緒に学校をサボる奴が他にいなくて、
レゲエ好きな奴が他にいなかっただけだ。

要するに、ただ一緒に行動していただけの二人だ。

彼はタチの悪い八方美人だった。

陰では散々相手のことをバカにするくせに、
本人の前では絶対に指摘しない。

むしろ仲の良い友達くらいに接する。

さっきまでボロクソにけなしていた相手と、
何事も無かったかのように涼しい顔で会話しているのだ。

そうやって陰で相手をバカにするような彼のことだ。

僕のことも陰でボロクソに言っていたに違いない。

あの頃よく一緒にいたのが不思議なくらい、
僕のもっとも嫌いなタイプの人間だ。

そう思うと、それが彼の手口だったのかもしれない。

彼はそうやって自分の仲間を増やしていたのかもしれない。

ある有名な心理学者によると、
「人は共通の敵をもつ事で仲間意識が芽生える」
という話があるらしい。

たしかに学校では必ず誰かがいじめられるし、
会社でも仕事のできない社員は陰でみんなからバカにされている。

そうやってみんなで悪口を共有する事で、
敵と味方を判別しているのかもしれない。

だから彼も自分の味方が欲しかったのだろう。

自分を仲間だと思ってくれる相手が一人でも多く欲しかったのだろう。

そのために、いつも陰で、
「あいつヤバくない?」
と口癖のように言っていたのだろう。

そうやって自分の存在価値を確認していたのだろう。

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