2021/08/23
どうしようもない作家です
Amazonプライムで「結婚できない男」というドラマを観ました。最近は映画だけでなく、ドラマもちょくちょく観ています。執筆のためです。
当ドラマの筋書きは、文字通り”そんなんじゃ到底結婚できないぞ”という男性が最高の理解者を見つける。という話で、ドラマなのにまったくドラマティックな展開がない。という当時のテレビドラマ氷河期を反映したような、これまでとは一風変わった趣向がこらされています。ドラマというよりリアリズムの追求。テレビドラマ特有のご都合主義をなるだけ排除し、現実社会の一部を面白く切り取ったような、そんな印象がありました。
阿部寛扮する主役の男性は建築士で、仕事はすごぶるできるのにコミュニケーション能力が皆無なため、自分一人ではお客さんから仕事を受注することができません。そこを高島礼子扮するパートナーの女性が全面的にカバーすることで、8年間絶妙なバランスで経営が回っていました。
そんなパートナーの女性が、実は密かに主人公に思いを寄せていて、他社から引き抜きの話がきた際に、主人公はその気持ちを知ることになります。彼女は仕事上ではなく生涯のパートナーとなることを望んでいて、主人公にその気持ちを確かめるために、引き抜きの話を受けるつもりだと彼に告げる。
主人公は「お前の人生だ。好きにしろ」と返事をしたが、内心では彼女なしでは自分はやっていけないことを十分に理解していた。相手のことを考えたら気持ちよく送り出すべきだけど、このままでは自分の方もダメになってしまう。
そんな折、「あの人はあなたのことが好きなのよ」と、かかりつけの女医に告げられ、「辞めないでくれ」と素直に言いなさいと助言を受ける。このままではダメだと気づいた主人公は一人、商談の場に乗り込んでいく。ここで素直にならなければ彼女は去ってしまう。
ところが、そんな重要な場面においても、「お前のように都合のいい女は他にいないんだ」と、仕事上のパートナーとしての必要性を訴える主人公。自分へ好意を寄せていることなど、そのあたりの相手の気持ちに対する配慮は一切なしの口上。なんて冷たいのか。
挙句、最後は助言をくれた女医とひっつくという、まったくもって自分勝手な主人公。そりゃあこんな男が結婚なんてできるはずはない。
ところが、彼は皮肉屋ではあるものの、自分の気持ちに嘘をつきたくない。という信条をもっていて、それが社会への適合性を低くさせている。ということが最後には分かってきます。彼は彼なりの生き方を貫いていたわけです。
結局のところ、こういう男性には、仕事上においても、プライベードにおいても、自分を理解してくれる女性の存在が不可欠なんだな。ということを視聴者として僕は感じました。
たまに、自分がどうしようもない人間に思えてきます。
社会人としてのバランスを著しく欠いていて、ろくに人との関係も築けやしない。本を書いていなければこの世界における自分の存在意義なんてないのではないか。そう思うこともしばしばあります。
けれど、そんな自分を唯一信じてくれているのが、妻です。
妻がいなければ、もしかすると自分はもうこの世にはいなかったかもしれない。そう言っても大げさではありません。
僕にとって、女性の存在はあまりにも偉大です。
女性のサポートなしでは生きていけません。
まったく、どうしようもない作家です。
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