不思議とやってくる啓示のような助け舟

 

この記事を書いている人 - WRITER -

先月、啓示のように降って湧いた「あの長編シリーズを読みたい」という思考。さっさと原稿を書き進めたいのにどうして今またリサーチが必要なのかと、半ばウンザリするような気持ちにはたしかになったものの、こういった現象にはもはや逆らうまいと決めているため、貴重な1ヶ月間を地味な読書にあてました。それにともなって机上の辞典も一冊追加しました。

そして今、原稿の前に返り咲いて画面を見つめるや否や、自身の脳に溢れるほど浮かんでくる文章の数々。この奇跡に心からの喜びと言葉にならない恍惚感を味わっています。なるほど、そういうことだったのか、と。すべてはより良い作品を読者さんに提供するために、作家としてしなければいけない周り道であったようです。今回もまた、誰ともないけれども、ありがとうを伝えたい。

始めた当初は「どうして自分が作家なんだよ?」と毎日のように苛立ちをぶつけていました。その道はどう見ても遥か遠く、行き方の見当もつかなかったがため、自分には到底辿り着けるものではないと思っていました。それはまさしく「単なる夢でしかない」と以前の自分であれば考えてしまう道でした。

けれども、とあることをきっかけにして「自分の気持ちのままに生きてみよう」と決断するに至り、計画や準備などを全部取っ払ってとにかくやってみることにしました。そんなふうにして〝絶望〟から始まったのが自身の作家への道でした。

順調な道のりなど一つとしてありませんでした。ウキウキした気持ちで原稿に向かえた瞬間などいっ時もありませんでした。心のどこかでは常に不安の気持ちが渦巻いており、当初からの疑念はいつまで経っても消えることはありませんでした。今でも残っていると思います。たまに「これ、本当にできるようになるのかなあ?」と訝ってしまうことがあるからです。

しかし、一歩踏み出したその時から、決して破らなかった掟があります。それが『逆らわない』ということです。

自分の心に突如沸き上がってくる思い、降って湧いたように生じる思考、そして遂行しなければ気が済まないと感じる衝動。それら理屈では到底説明することの叶わない『感情』というものに対し、決して逆らうことのないようにと自身の心に誓っていました。そのおかげで派遣社員も辞めてしまったくらいです。

そうした三年間を経た今、俄然として自分は、作家をやっています。小説を書いています。

自分はもうこの先には進めないのではないか? そう思う度に、どこかから、いや、誰かから、助け舟が出されました。もう今回で何度目かわかりません。感謝してもしきれませんが、それはちゃんと自分が形にすることで、相手の恩に報いることができるだろうと感じています。

信じる必要はない。疑ったままで全然構わない。ただ、自分の気持ちに逆らわないこと。その掟が、今日までの自身の作家の道のりを支えてくれています。

この記事を書いている人 - WRITER -
 

Copyright© 売れっ子Kindle作家 大矢慎吾 , 2021 All Rights Reserved.