2021/08/23

不適合者の利点

 

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自分が会社員だった頃を思い出すと、常に会社側から何かを要求されていた気がします。

ノルマや期限、それに作業の効率化など。営業マンをやっていた時は毎月ノルマの達成を求められました。達成できなれば減給。やるしかありません。

新社会人の頃は、その仕事内容以前に、社会人のマナーを覚えるのがまず大変でした。言葉遣いや礼儀作法など、大人としての立ち振る舞いを繰り返し教育された覚えがあります。時には怒鳴られたりしながら。

それでも数年経てば、どんな人間でも社会人らしさが自然と身につき、本業の仕事も十分こなせるようになる。慣れ、というのは偉大なものです。

そうしてこれで自分も立派な社会人になれた、かと思いきや、今度は教育側に回される。自分が出来るだけでは仕事は回らない。ということを実感させられました。人に教えることほど難しいものはない。

それにも多少慣れてきたと思ったら、今度は「会社の方針が変わった」と。それまでの仕事のやり方を一新させるという。

”また一からやり直しじゃないか”

今の時点でも大変なのに、さらなる苦労を背負わされるなんて。こんなことを続けていたら体がもたない。度重なるストレスのせいで、もはや体調不良は慢性化している。

けれども、上司からはこう言われました。

「この会社に居続けたいのならば変化に適応しなさい」

そうなのか。誰もがこれくらいのことはこなしているのか。これが社会人というものなのか。

圧倒的な挫折を感じました。自分には、もうこれ以上は無理だ。

 

 

社会に適応していける人が羨ましいと思っていました。

自分もそうなりたいと思っていました。

けれども自分には出来ないと気がついてから、自分にしか出来ないことを探すようになりました。

自分らしさとは何かを探求するようになりました。

結果、作家になりました。

 

 

「選択できる」というのは、ある意味では苦しいのかもしれません。

なぜなら自分には選択肢がなく、迷ったり、悩んだりする余地なんてありませんでした。とにかく真っ直ぐに進むしかなかったのです。そうしなければ生きていけないので。

だから選択肢がある人を羨ましく思う反面、シンプルじゃないな、と感じることがありました。

複雑な物事はよく分かりません。自分にはうまく処理できません。それが、社会不適合者というものなのかもしれませんね。

 

けれども、シンプルはいいですよ。

シンプルに生きる方が、楽ですから。

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