2021/08/23
人は本音を隠す
不幸な出来事その3「ニオイ」
小さい頃から毒舌だと言われてきた。
しかしニオイに悩むようになってから傷付くという感情を知り、
言葉の暴力の凶悪さに気付いた。
そして人はたとえ傷付いても、
決して「傷付いた」とは教えてくれないものなのだと知った。
これはニオイに関しても同じだ。
相対している人の口や体のニオイを感じても、
相手は面と向かって「あなたはニオう」とは言わない。
傷付いた時と同様に何も無かったかのような態度をとる。
言葉には出さず、手で鼻を覆ったり、
「ウッ」という不快な表情をするくらいだ。
そうしておいて陰で被害者・加害者を明らかにしながら周りに言いふらす。
僕は不快な表情をされた経験も、
被害者話を聞かされた経験もある。
被害者話を聞いている時は無表情で頷くことしかできなかった。
このような人の振る舞いを目の当たりにしながら、
自分と違って人は思ったことを口にしないのだと知った。
こちらでは散々相手のことをボロクソに言っているくせに、
相手の前では笑顔で相手と会話を交わしている。
人とは、そして大人とはそういうものなのだと思い知った。
しかしそれと同時にこう思うようになっていった。
「どうして面と向かって言わないのだろう?」