制約と限界
数年前に、
「限界はあなたの頭の中にしかない」
という本を買った。
そこに何が書かれていたのかはあまり覚えていないのだけど、
このアメリカで最も有名なコンサルタントが付けたタイトルだけは妙に覚えている。
まあ、ハッキリ言って、ありふれた言葉だとは思う。
本屋に行って自己啓発本コーナーを見れば似たようなタイトルがゴロゴロあるだろう。
もはや言い尽くされた感はあるし、読む側からしても、
「そんなことは言われなくても分かってるよ」
などとつっこみたくなるほど聞き心地はよろしくない。
ただ、なぜだかその言葉が無性に気になり、思わずその本を購入してしまった。
まるで著者から「ほら!」と手を差し伸べられているような感じがしたのだ。
大人になるほど自由が失われていく。
それは当然のことであると世間では認識されている。
大人になるというのは、
自分以外の人の為に時間と労力を使うことである、と。
いつまでも自分、自分と己の願望ばかり追求している者は人間的に未熟である、と。
だからこそ、この道理にそぐわない者は世間から軽蔑の眼差しを向けられる。
「アイツはまだあんなこと言ってんのか・・」
僕自身、その眼差しを向けられた経験もあれば、
他人に対して思いっきり投げかけてやった経験もある。
両方の立場からこの”制約”と向き合ってきた。
そうやって数十年過ごし、ある時ふと、こんな疑問が湧いてきた。
”この制約は誰が設けたのだろうか?”
とくに法律で定められているわけでもなく、
学校の授業で教えられたわけでもないのに、
どうして僕たちはこのような「共通の認識」を持っているのか。
少し俯瞰で眺めてみるとかなり不思議に思えてくる。
ここまで誰もが当然のように認識しているなんて、
まるで僕たちのDNAにその概念が組み込まれているかのよう。
ある年齢を超えたらそれが発動し、
自然発生的にそう思うようになっているのではないか・・
そんな陰謀めいたことも考えたりした。
ところが最近、真実はまったくもって違うのだと分かった。
真実はとてもシンプルだった。
そう、冒頭の本のタイトルにその答えが書いてある。
”限界も制約も自分が設けたもの”
ただ、それだけのことだったのだ。
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