2021/08/23

削除したい書籍だらけです

 

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Kindle本で小説を書くにあたり、書式設定の改変に少し追われています。

以前までは「横書き」の電子書籍を書いていました。日本の書籍はほとんどが縦書きですが、電子書籍で読む場合は、自分的に横書きの方がスッキリと読みやすい印象がありました。しかも、スマートフォンならばスクロール設定により、ブログ感覚で、縦にスワイプしながら、すいすいと読み進めていくことができます。

しかし小説となると横書きの本はちょっと違うなと感じています。やはり縦書きの方が読み手にとって馴染みがあり、その本の世界観に没入しやすい印象があります。すいすいと読み進めるのではなく、じっくりと1ページ、1ページ、めくり進めるその感覚があった方が絶対良い。世界観に浸れないと、読んでいてちょっとガッカリしてしまう。

というわけで、これまでに自身が出版した本を読み返しながら、字の大きさやスペースの入れ具合などを調整しています。一番読み進めやすく、途中で突っかからないようなベストの書式設定を探すべく、管理画面でひたすらテスト、テストの繰り返しです。

 

久しぶりに過去の書籍を読んでいると、喉の奥に苦いものが込み上げてきました。

「うわぁ、こんなことを書いたのか・・」

随分と攻撃的でトゲのある文章がずらり。徹頭徹尾、「伝えたい!」という思いが溢れ過ぎていて、正直、かなり痛々しい。リアルを追求するあまり、ストレートな表現ばかりで、なんだかちょっと、怖い。

プロの作家さんの場合は、出版社の評価基準に達していなければ本を出すことができないので、あからさまな失敗作が世に出ることはないのかもしれません。修行中の作家の作品が世に出回ることはまずない。

その点、僕のような個人作家の場合は、自分のさじ加減で書籍を出版をするため、まだ未熟な作品も世に出回ります。自分自身でその本を削除しない限りは。

「未熟な作品を人に売るのか!?」という批判の声もあるかもしれませんが、僕は、過去の書籍を削除したり、修正したりすることはしたくないと思っています。

なぜなら、それらの書籍にはかけがえのない価値があるからです。

第一作目を出版した時から、ずっと自分の正直な思いだけを書き綴ってきました。今思えば恥ずかしい、痛々しいと感じることも、その当時は己の信念として高く掲げていました。絶対に譲れない思いがあった。絶対に誰かに伝えたいと思っていた。

けれども諸行無常。人の価値観は変化していくし、人間的な成長と共に自身の考え方も変化していくものだと思います。だから、今の自分と違っていてそれは当然。(知識やノウハウに関しては間違ったことを書いたつもりはありません)。

過去に書いた文章を今の自分が書くことはできません。もう二度と同じ本を書くことはできません。

だからこそ、その本にはかけがえのない価値がある。自分的にはそう思っています。

 

 

本音を言えば削除したい書籍もあります。キレイに書き直したい書籍だらけです。

恥ずかしい。

消し去りたい。

葬り去ってしまいたい。

だけど、絶対に、修正も削除もしない。

このままの形で残しておくことが、きっと、誰かを勇気付けることになるはず。

僕はそう信じています。

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