2021/08/23

卓越した能力なんて必要ない

 

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昨日書いたメッセージによって、また幾人かがメールマガジンを解除しました。

自身の三年間の経験則によると、かのような「やってみなよ!」という啓発的なメッセージは往々にして毛嫌いされる傾向があります。とくに読者さんに対して何かしら行動を促すような投げかけを行うと、その傾向は顕著に表れます。

自分から発信しておいてなんなのですが、かくいう僕自身も、そのようなメッセージは嫌いです。他人から何かを指示されたり、行動を促されたりされるのが嫌なので。

それでも頭の中に浮かんだがために書かせていただきました。そしてまた、今日も書かせていただきます。とても怖いけれど。

それが「自分の気持ちに正直に生きる」という己が掲げた信念の証明になると僕は信じています。

 

 

僕はキレイゴトが嫌いです。

できもしないのに「できる」と言ったり、叶いもしないのに「叶う」などとは決して言いたくありません。またそのての甘い言葉を並べ立てて夢の世界にいざなうような自己啓発本やスピリチュアル系の本なども好きではありません。

それなのにこうして〝売れっ子作家〟という夢を追っているなんて矛盾しているではないか、と思われるかもしれませんが、自分では夢を追っているという意識はあまりありません。ただ愚直に日々、やりたいことを形にしていっているだけだという感じです。

そもそもこの「夢」という言葉には、多分によろしくないニュアンスが込められています。この一見するとロマンチックに感じられる言葉には、実のところ、非常にネガティブな要素が含まれているのではないか、と。

自分も小さい頃は夢を追っていた気がします。アニメや漫画の影響で。

子供が目にするそれらには夢が詰まっています。努力は決して人を裏切らない。諦めなければ最後には必ず夢は叶う。この国の将来を担う子供たちの人生観を育成するためか、そのストーリーは足並みを揃えるようにしてハッピーエンドに着地します。

現実はその通りにはいかない。社会は厳しさに満ちている。それは間違いありませんが、子供の頃からそんなことを言われて育ったら、きっと何者にもなれません。超現実的で、合理的で、リスクのない安全な道ばかりを選択するようになってしまいます。叶うかどうか分からないプロ野球選手や画家などの道には決して進まないだろうと思います。

だから子供向けのアニメや漫画は、ほぼ全面的といっていいほどに、夢に関しては肯定的なメッセージに終始してあります。それを受け取った子供たちが何某かの夢を抱けるように。

そうして大人になるにつれて現実を知っていき、「夢とは必ず叶うものではない」ということを〝理解する〟わけですが、実は、子供の頃から目にしていたそれらのメッセージでは、夢についてかなり歪曲された描写がなされてあります。

それは『才能』についての描写です。

アニメや漫画の主人公は、最初から〝出来過ぎ〟ています。

戦闘系のアニメなら最初から主人公は圧倒的に強いし、スポーツ系のアニメなら初見のプレーで先輩たちをあっと言わせるし、探偵などの知性がものをいうアニメでは誰よりも圧倒的に頭がキレる。初心者、子供、どんな設定であっても、主人公は当初から明らかに卓越した能力を有しています。

そして後々になって「親が革命家」とか「名探偵の孫」とか「王家の血を引く者」などと、そのサラブレットな生まれを知らされ、読んでいる子供たちは〝だからこの人は凄いんだ〟という環境的な要素を印象づけられる。結果、ストーリーとしては夢が実現して終わるわけですが、子供たちの潜在意識には「その為には特別な才能が必要なのだ」という印象が深く刻まれ、現実を知った際に〝やっぱりそういうことだったんだ〟という理解へとつながるようになっています。

要するに、漫画やアニメは子供たちに夢を魅せているようにみえて、実際には残酷なほどに現実を突きつけている、ということなのです。

だから「夢」という言葉を聞くと「大抵は叶わないもの」という意識が自動的に働いてしまうのだと個人的には思っています。夢という言葉にはそのようなネガティブな意味合いが含まれている。

しかし、夢を叶えるにあたって、別に〝一番〟になる必要はないはずです。

この世界でもっとも強い人物になる必要はないし、もっとも賢い人物である必要はないし、もっとも上手い人物になる必要はない。そこまで秀でた能力を有していなくとも、望んだ道に進むことはできます。それこそ世界一上手い料理を作る必要なんてないわけですから。

世の中には自分以外にも同じ道を実現させている人がたくさんいるわけで、その中で一番を獲ることに別にこだわらなくても、夢を形にすることに主眼を置けばいいのです。

 

 

今の時代は、いち個人がダイレクトに、相手に提供物を届けることができます。歌、写真、動画、その他自分が創り出したもろもろの作品。

だからたとえ同業者から認められなくても、目の前の相手を喜ばせることができれば、圧倒的な才能が無くても、その道で生きていくことは間違いなく可能なはずなのです。

 

・・と、まだ売れてもいない作家がいくら言っても説得力がないだろうと思います。

だから僕は、絶対に売れっ子作家にならなければなりません。

何かしらの道を志そうとする、多くの人のためにも。

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