2021/08/23

姪っ子の変貌に度肝を抜かれる

 

この記事を書いている人 - WRITER -

姉に電話をしました。シリアスではないけれど、そんなに軽くもない用件で。今は身内とどんな電話をしていても、自然とシリアスな方に話が寄っていってしまいます。

唐突に姉が言いました。

「ちょっと◯◯(姪っ子の名前)に代わるわ」

へぇっ? 一瞬、何のことか分かりませんでした。

「にぃに? 元気?」

・・おいおい、マジかよ。

この時の「マジかよ」には、いくつかの意味が含まれていました。

一年以上会っていない姪っ子が3歳になり、もう普通に喋っているというその成長の早さに対する驚き。最後に声を聞いた時はあー、うー、とかだった。会話にもなっていないレベル。「にぃに」なんて呼びかけられることもなかったほど。

そして、あれほど人見知りの激しかった姪っ子が、自分に積極的に話しかけてきた驚き。最後に会った時には目も会わせてくれなかった。それ以前なんて、ただ触るだけで泣かれてしまうほどだった。抱っこ写真すらもままならない。生粋の臆病娘。

それが「ママ、電話を代わって」と自分から頼んだのだからもうびっくり。人見知りの姪っ子の姿しか頭になかった自分にとっては、電話の相手が別人に感じてしまいました。子供の成長って、こんなに変わるんだ。

そしてなにより驚いたのが、そんな姪っ子が、僕たち姉弟の身内に誕生したという事実。

姉とは一年間で数えるほどしか会話を交わしません。小さい頃からそうでした。一定の時期まではそこそこ仲が良かったかもしれないけど、それでも二人で遊んだ記憶はない。近所のみんなで遊ぶ中に姉貴がいるという感じ。

なにせ僕たちは二人とも人見知りでした。姉貴のほんとのところはよく知らないけど、自分から積極的に友達を作るタイプでは絶対ない。少数の仲が良い友達がいる程度の社交性。いつからか、お互いに、自然と相手の顔色を気にするようになってた。

しかし姪っ子は、これが電話だというのを忘れさせるほど、僕に対してゼロ距離で会話をしてくれました。

当たり前だけど妙な気遣いとか、伏せられた思惑とか、後のお年玉の額に反映してくれよ、なんて計算は一切ない。ただ真っ直ぐに、身内である僕と話をすることを望んでくれた。

嬉しかった。

だけど、初めてのことで、何を話したらいいのか全然分からなかった。三歳の子供にするような質問がまったく思いつかない。「好きな食べ物は?」「何をして遊んでるの?」それ以降が出てこない。

むしろ、姪っ子の方が、気を遣ってこっちに話を合わせてくれている感があった。「まったく、しょうがない叔父さんだなぁ」って。できない叔父ですまん。まだ君との関わり方が分からない。

ただ、とにかく伝えました。「話ができて嬉しい」と。

きっとその気持ちは伝わったはず。嬉しいという温度は絶対に伝わる。それだけはなんとなく分かる。

 

 

子供扱いされることが嫌いだった自分の場合は、こちらの年齢に合わせた質問をしてくる大人に対して、嫌な気持ちを感じていました。上っ面の会話だな。本当は大して話したくもないんじゃないかな? とか思ったり。とにかく小さい頃から嘘をつかれるのが嫌いでした。

だから自分も姪っ子を子供扱いしたくない。上っ面の会話をしたくない。適当に褒めてごまかすみたいな関係を築きたくない。その気持ちが脳にフィルターをかけ、本音の言葉しか発せられなくさせます。

だけど、よその子供の教育に影響を与えるようなことはしない方がいいし、その他大勢のように滞りない会話をしてあげた方がいいんじゃないか? 上っ面や嘘ではなく、それが子供に対する思いやりというものなんだ。・・などと、うだうだ考えていると、言葉が出てこなくなってしまいます。

そうして僕は子供との会話にいちいち詰まってしまうという、大人としてみっともない醜態を度々晒しています。まったくもって面倒くさい人間です。

すまん姪っ子。この答えはまだ出てないから、叔父さんはきっと次も会話にまごつくと思う。

だけど嬉しいんだよ。君と話ができて。これは混じりっけなしの本音。

その気持ちだけは、伝わってるかな?

この記事を書いている人 - WRITER -
 

Copyright© 売れっ子Kindle作家 大矢慎吾 , 2021 All Rights Reserved.