小説家と自殺

 

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ある小説家の著作を読み漁っています。

これまで立ち入ることのなかったそのジャンルに足を踏み入れた途端、ここを深く探求しなさいという囁き声が聞こえてきました。小説を書くと決めてから何度か耳にしている声です。

先月半ばにはミステリーを読みさないと指示が下りました。なぜだという疑念を振り払って追従してみると、徐々にその意図が判明してきました。このジャンルの小説には人を楽しませる物語の技法が随所に散りばめられていたからです。

今回も最初のうちは囁きの意味はいまいちよく分かりませんでしたが、一人の作家の著書に出会ったことでその疑問は氷解しました。

なんと心を揺さぶられるのか。

ワクワクが止まらない。

心臓が早鐘を打ち血液が全身を駆け巡る。続きが気になって中断できないほどの中毒性。

文章一つでここまで読み手を空想の世界に浸らせることができるのか。まさに、圧巻の一言でした。

 

 

ただ、それだけ強烈な体験を与えることは、同時に読み手からの多大な期待を背負うことを意味するようです。

次回以降の作品の出来が悪ければ読み手は期待を裏切られたと憤慨し、その鬱憤は書籍のレビューとして反映される様子。例に漏れず自分が追従している作家も、圧倒的支持を獲得している書籍が多い中、何冊かはやたらと酷評されている作品がありました。

そこには目を覆いたくなるほど辛辣な言葉が並んでいました。自分だったらしばらく立ち直れないであろう言葉が。

それほどの期待を読み手が著者に寄せているのだと感じました。だからこその厳しい言葉なのだろうと思います。

芥川龍之介や川端康成に代表されるように、小説家には自ら最期を迎えた人物が多いという印象があります。(相対的にはどうか分からない)

小説の世界は読み手に絶大な快楽を与えられる一方で、期待を裏切った時の心の代償も相当なものなのだろうと感じました。

そう思うと目の前にある著書にも手を合わせずにはいられません。この尊い出会いに心から感謝です。

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