2021/08/23
引きこもり時代の彼女
『嫉妬』について・・
中学3年の時、僕は引きこもりだった。
その理由や当時の出来事については散々書籍に書いたので、
あらためてここで触れることはしない。
当時、僕には付き合っている彼女がいた。
完全に学校へ行かなくなる前に相手から告白されて付き合い、
引きこもってからも、しばらくは関係が続いていた。
告白された時、僕は彼女の事をなんとも思っていなかった。
こんな自分に告白してくれた事が嬉しかったから、付き合った。
最初はそんなものなのかもしれない。
お互いの気持ちが同程度に高まっている事はあまりないと思う。
ともかく、最初は彼女の方が僕に好意を抱いていて、
彼女に対する僕の好意はゼロに等しかったのだった。
ところがこの好意のバランスは、僕が引きこもってからは真逆になった。
彼女には毎日連絡をよこすよう強制し、
メールは即返信、電話は2コール以内に取るように命令した。
束縛といえば聞こえがいいだろう。
束縛とは、自分が相手を好き過ぎるが故、
相手の「すべて」を自分の物にしたいというエゴだと思う。
だけど僕の場合はそれとは少し違った。
彼女は僕の事を好きで好きでしょうがなくて、
必死になって僕の事を追いかけているのだから、
常に連絡をよこしてくるのが当然だと思っていたのだ。
だから彼女が僕の連絡を無視するようになった時、
僕にはそうなる理由が、まったくわからなかった。
「なんで僕を追いかけて来ないんだ?」
彼女に対して執拗に連絡をよこすよう催促していた。
この段階で、すでに僕は追う立場となり、
彼女は追われる立場へと逆転していたのだった。
彼女から連絡がこなくなり、僕は毎日イライラしていた。
どうしたんだ?
今あいつは何をしているんだ?
誰と一緒にいるんだ?
彼女のことを考えては、部屋の壁に怒りをぶつけていた。
そのうち彼女の女友達を通じて「別れたい」という意思を告げられ、
僕たちは自然消滅という形で交際を終了させた。
あの頃の僕には彼女しかいなかった。
友達が、果たして本当に友達なのかが分からなかった。
友情とか仲間とか絆とか、
そういう目に見えないものは一切信用できなかった。
だから「付き合う」という契りを明確に交わした彼女は、
僕にとって繋がりを感じられる唯一の相手だった。
彼女は僕にとっての”最後の砦”だったのだ。
あの時の彼女に対する「束縛」は、
好きという気持ちから出た行動だったのは間違いない。
だけど、それだけじゃなかった。
彼女に嫌な思いをさせて、
彼女がそれを乗り越えてきてくれたなら、
本当に自分は好かれているのだと感じられる・・
あれは、自分への愛情を確認するための、常套手段だったのだ。
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