2021/08/23
悩みを誰も理解してくれない
両親は最初、息子が何かしらの病気になったと考えたようです。
「今日も体調悪いの?大丈夫?病院行かなくていい?」
「いや、たぶん寝てれば治ると思う。昨日もそうだったから。」
朝起きて部屋に入ってくる母とこんなやりとりをしていました。
何度か病院に行きましたが痛みの原因は不明です。
けれど実際に息子は痛みを訴えます。
学校に行かないと嘘のように体調が回復するため、
このようなやりとりをするしかなかったのだと思います。
しかし、僕が学校へ行くのを嫌がっていることに気づいたのだと思います。
どうやら病気ではなく学校そのものを拒否している僕に、
ついに真顔でこんなことを聞いてきました。
「ねえ、学校で何かあった?何か嫌な事があったの?」
とても心配そうな顔をしていました。
僕は、
誰にも言いたくなかった・・
人に知られたくなかった・・
自分がそう思われるのが怖かった・・
けれど勇気を振り絞って、ボソッと言い放ちました。
「なんか・・オレって臭いんだよ。」
どう切り出していいのかわからずぶっきらぼうに言いました。
母はそれに対し、
「あんたが臭い?はぁ?どういうこと??」
全くなんの事かわからないという様子で聞き返してきました。
僕「いやだから・・口が臭いんだって!」
母「あんたの??はぁ??なんでよ?」
僕「なんでって・・おかあもわかってるやろ??」
母「いや全然わからんよ。そんなこと、思ったこともないよ。」
僕「いや!そんなわけないし!もう学校行くの嫌やわ!!」
すると母は「フッ」と鼻で笑い、口元に少し笑みを浮かべながら、
僕を説得するようにこう言いました。
「そんな事で悩んでたのか。なんだ、そうかそうか。
いやこれから人生まだまだ長いよ。まあこれから大人になったときに、
“臭い”なんてたいした悩みじゃない、ってわかる時がくる。
私だって汗のニオイとか気になる時もあるよ。
でも仕事してたらそんな事より大変な事がたくさんあるの。」
「“臭い”なんてそこまで気にする事じゃないよ。」
いまでもこの場面はハッキリと覚えています。
この出来事は僕にとっては忘れられない、
15歳の僕の心に大きなダメージを与えた、
とても重要な場面だったのだと思います。
“親でさえ助けてくれない”
“もう誰も助けてくれない”
このできことをきっかけに、
自分の悩みは人にはわかってもらえないことなのだと悟りました。
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