2021/08/23
挫折の毎日です
ここ数日、伊坂幸太郎さんを含め数々の著名な作家の小説を読んでいます。
主にミステリー小説を生業とされている作家を中心に、その作家の代表作と評される作品を片っ端から読み漁っています。時折、メモを取りながら。
作家を名乗る自分は、この手の本はあまり読んだことがありません。本棚を占有していた背表紙の多くは知識本で、読書の目的としては”何かを学ぶために読む”という本が大半でした。いわゆる小説ではない一般書です。
小説は何冊かしかなく、そのほとんどは純文学で、太宰治や村上龍、そして芥川賞作家の本が何年か棚に滞在していました。ミステリー小説でいえば、小さい頃に母から借りて読んだ赤川次郎くらいで、自分の本棚にこのジャンルの本が居たことはほとんどありません。
いくつか読んでみて、なぜミステリー小説を読もうと思い立ったのかが分かりました。
このカテゴリーの本には、読む人を楽しませるための技術がふんだんに盛り込まれているからです。
たとえ自分の書いた本にどれだけ素晴らしい世界観が詰まっていようとも、最後まで読まれなければ相手にそれを伝えることはできません。いかに退屈せず、いかに興味をもって読み進めてもらうかが、作家の腕の見せ所なのだと思います。
自分にその技術が足りないため、「学びなさい」と言われたのだと感じています。
ここ数日は挫折の毎日です。
世の中にはこんなにも人を楽しませることができる人たちがいるのか、と。
世の中にはこんなにもたくさん人を楽しませる本があるのか、と。
それならば、自分の書いた本など、別に必要ないのではないか、と。
自分のような人間が書籍を生み出す意味があまり見当たりません。すでに十分足りているのではないかという気がしてしまいます。この枠はすでに満杯状態で、キャンセル待ちが長蛇の列をなしているような印象があります。
この小説というフィールドの中に自分の居場所はあるのか・・
考え込んだらそのまま真っ暗な渦に飲み込まれてしまいそうです。
それでもなんとか踏みとどまって前に進んでいます。
自分が見たくない現実も見なければいけない。受け入れたくない現実も受け入れなければいけない。
少し苦しいですが、なんとか、日々少しずつ前進しています。