2021/08/23

溶けゆく通帳残高

 

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適度なプレッシャーが心地良いです。

何の制約もなければ際限なく怠けてしまう。己の本質はこれまでの体験から嫌という程分かっています。もしも月15万ほどの不労所得を手にしたらきっと部屋から出なくなるでしょう。その所得を増やすことより、いかに働かずして生きていくかに考えを巡らせるタイプですから。

先日とうとう銀行の残高から0が1ケタ減りました。

当座の生活にまだ問題はありませんが、溶けゆく数字を目の当たりにしていると流石に幾ばくかの焦りが生じます。刻一刻と迫るタイムリミットを数字で示されるので、文字通りカウントダウンされているような感覚に陥ります。

数年前に背負った借金の経験がなければ、あるいは精神がもたなかったかもしれません。

あの頃はとにかく自ら負ったカルマを清算することしか頭にありませんでした。

早くこの鎖を断ち切りたい、囚われの身から解放されたい、お金の奴隷のような生活から一日も早く抜け出したい。夜な夜な悪夢にうなされたあの頃の日々は思い出したくもありません。

ただ、あのカルマの清算経験があるお陰で、迫りくる不安に対してある種の鈍感さが身につきました。

そこそこの危機を肌で感じていても、まあなんとかなるだろうと楽観的に物事を捉えられます。半ば強迫性に近いほど心配性だった以前からは考えらない心理状態です。感覚神経がどこか麻痺してしまったのかもしれません。

そのお陰で現在のこの生活に対するプレッシャーはそこまで大したものではありません。

 

 

自由には責任が伴う。

社会という枠組みの中で生きている以上、逃れることはできないものだと覚悟しています。

元来が引きこもり質である自分にはそれくらいの刺激があった方がちょうどいいのかもしれません。

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