2021/08/23

父の思いも背負って

 

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去年の年末、実家の両親に作家をやっていることを告げた。

僕が会社員の仕事以外に何かやっていることは知っていたけど、
まさか作家をやっているとは思っていなかったらしい。

まあ、それは当たり前か。

誰の息子が作家をやっているなんて思うだろうか。

小説家や脚本家なども一切いないウチの家系、
ましてや親戚は会社員ばかり。

自分の本を出版するなんて考えたこともないだろう。

ところが不思議なことに、
父は僕が作家をやっていることを嬉しく思っているようだ。

というのも父自身も、若い頃に小説を執筆したことがあるらしい。

完成までこぎつけたのか、
どこかの出版社に原稿を送りつけたのか、
詳しいところまでは聞いていない。

単に書いてみたかっただけなのかもしれないし。

ただいずれにしても、父の頭に、
「作家」という職業がチラついたことがあったようだ。

 

あれ以降、父から電話がかかってきても、
父はすぐに電話を切ろうとする。

きっと僕の執筆作業の邪魔をしたくないのだろう。

実際、今年の正月は実家に帰省しなかった。

年末年始の時間を使って
どうしても研究したいことがあったのだ。

だから年始の挨拶よりもそちらを優先した。

2020年は僕にとって勝負の年。

あらゆることを犠牲にしてでも、
魂を削って本を執筆するのだ。

きっとその気合を両親はわかってくれている。

だから僕に余計な時間を使わせるようなマネはしないのだ。

 

もしも父が過去に作家の夢を諦めていたのだとしたら、
僕が代わりにその夢を叶えてやろうじゃないか。

まだ孫の顔も見せていない親不孝者だけども、
他所の家庭とは違うカタチで親孝行をしてやるさ。

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