2021/08/23
物質世界でしかできない事
テーマ:輪廻転生
形あるものは必ず終わりを迎える運命にある。
魂の世界が「無限の世界」だとすると、
僕たちが今いる物質世界は「有限の世界」。
無限の世界は有限の世界のすべてを包括している。
だから有限の世界でできることは当然、無限の世界でもできる。
ただ、無限の世界はあらゆることが可能であるがゆえに、
この有限の世界でしかできないことが存在する。
それは、『体験』だ。
僕たちが今いるこの有限の世界には、
”ここでしかできない体験”が実はたくさんあるのだ。
無限の世界ではいくらでも物を生み出すことができる。
壊れたり無くなったりした物も、何度だって元に戻すことが可能だ。
例えば、廃車になってしまった車も、
無限の世界では新品時の状態にまで完璧に復元できる。
時の経過によって劣化してしまった家も、
誰も足を踏み入れていない未使用の状態にまで完全に復元できる。
年齢と共にシワやシミだらけになったお肌も、
弾力に満ちた水々しい10代の肌へと100%復元できる。
どんな状態になった物もすべて元に戻すことが可能だ。
しかしそれゆえに、”失うこと”ができない。
いくらでも元に戻せるということは、
物を失った時の「喪失感」を体験することができないのだ。
もちろん、無限の世界でも、
物を破壊したり無くしたりすることはできるだろう。
形が無くなるまで粉々にしてしまうか、
あるいは宇宙の彼方まで放り投げてしまうこともできるのだと思う。
けれども、それはあくまで”形式上”失ったにすぎない。
あらゆることが可能なのだから、
自分の意思一つでそれらを元に戻すこともできてしまう。
つまり、
”もう二度と取り戻せない”
という状態を本気で体験することできないのだ。
どれだけ自分の心の中で、
「私は失った物を再生させない」
などと決心を固めたところで、
元に戻せるという事実は決して変わらない。
だからこそ、無限の世界では、
失った悲しみを”真に”体験することができないのだ。
僕たちは形ある物に執着してしまう。
自分の所有物、自分の見た目、自分の権利など,,
物に執着するがゆえに他人と争うことになり、
そして失った時には悲しみに暮れることになる。
けれども実は、その絶望的な喪失感は、
僕たちがいま生きているこの世界でしか体験できないことなのだ。
関連記事 - Related Posts -
-
2022/05/25
-
探偵小説は表現技法として誕生したのではないか
-
2019/10/12
-
全否定の男
-
2020/01/13
-
幸せのカタチが多様化
-
2020/03/03
-
自分の人生に責任をもてるのは自分だけ
最新記事 - New Posts -
-
2023/09/23
-
スピリチュアルとは極端な性格のものではないはず
-
2023/09/23
-
自己啓発本は利用すればいいと思う
-
2023/09/18
-
過剰に適応しようと躍起になるのも、どこか醜い
-
2023/09/18
-
潔癖なまでの「自分らしく」は危ないのかも