群れから離れることはそんなに怖いのかな

 

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ネコ科の動物の生態に興味をもった流れで「ハイエナ」のことを色々と知りました。ハイエナ社会はなかなかに興味深いです。

ハイエナはハイエナ科に分類される動物で、見た目や群れで行動するところは犬に似ています。ただ系譜をたどっていくと、どちらかといえばネコ科に近いのだそう。しばしばライオンとの関係が注目されるので納得できるところはあります。

ハイエナは母系社会(メス中心の群れ)であり、かつ、ガチガチの階層社会で暮らす集団です。

群れには一頭の女王がいて、2番手のメス、3番手のメス、という感じでそれぞれの権力が階層式に決まっています。オスが王の位につくことはなく、また上位の階層に位置付けられることもありません。単なる「子作りに必要な存在」としてしか認識されていないようです。

そしてその権力は「世襲制」になっていて、成人を迎えた女王の子(メス)が代々その地位を引き継いでいきます。年齢やキャリアも関係ない。まさに貴族のように、家柄(生まれ)だけでその地位が確約されています。そうしないと群れの中で権力抗争が起きるからなのだそうです。もしかすると昔の人類の階層社会もそういう背景があったのかもしれませんね。

ハイエナたちにとってこの権力がもつ意味はとても大きいです。群れの中の誰が獲物を仕留めたとしても、その獲物を食べる順番は上の階層のハイエナからだ、と決まっているからです。

下の階層に位置するハイエナたちは、常に群れのおこぼれを食べて暮らしています。だから仕留めた獲物が小さければ、自分たちだけが食べられないということが当然にある。食糧の確約がないサバンナにおいてはきっと死活問題ですよね。

子供のうちは誰もが平等に扱われるそうです。群れの大人たち皆んなで子育てをして、大人たち皆んなで子供を守る。

けれどもひとたび大人社会に入ったら、権力による階層社会が即座に適用される。女王の子は女王で、最下層の子は新たな最下層に。オスなんて、成人になったら群れから放り出されます(そして最下層からスタート)。人間社会では考えられない構図ですよね。

このように、ハイエナ社会には明確なヒエラルキーが存在していて、ルールによって統制された暮らしをしています。階層が下の方のハイエナは厳しい環境でその生涯を過ごすことになるのでしょうね。

しかし興味深いのはここから。

ガチガチの階層社会であるハイエナの群れにおいても、下級ハイエナが上級ハイエナを追放する『クーデター』が存在しています。

仕留めた獲物に真っ先にありつける権力者たち。しかしそうはいっても、これは野生で暮らす動物の話。理性で彼らの行動を抑えつけることなんてできません。

自分たちが腹が減って苦しんでいるのに、目の前でうまそうに獲物を貪られたら、下位の者たちにはだんだんと苛立ちが溜まっていきます。

「はあ・・。まったくなんで私たちだけ」

権力のルールは群れの秩序を保つために遵守しなければいけない。けれども、下位の者たちを無き者とするようなあまりにも横暴な権力者たちには、下位のハイエナたちも黙ってはいません。

「・・あいつら、ちょっとムカつくよね」

誰かがそう呟くと、周りにいる者たちも皆んな「同感」と。やっぱり皆んなそう思ってたんだ。もうこんな奴の言いなりになるのはやめようか。

そうして気づかれないように耳打ち・・下位の者たちで結託し、群れに帰ったところで、くつろいでいる女王を急襲。数頭で取り囲み、女王をボッコボコにします。体中に噛みついて致命傷を負わせる。

「出ていけ!」

傷だけらけになった女王は、サバンナに一頭、放り出されます。

群れで生きている動物たちにとって、群れからの離脱は死を意味する。ほぼ例外なく、ライオンに襲われて彼らの食料となってしまうそうです。まさに弱肉強食の世界ですね。

世襲制にクーデター。人間社会でも起こる現象が動物界にも存在しているということが、なかなか興味深いなあと僕は感じました。

 

 

ハイエナたちにとって、群れからハブられることは最大の恐怖なのでしょうね。それは即、死を意味するので。

それを表すように、ハイエナの子供達は早くから階層社会を理解していて、女王や上位権力者たちにはそのような接し方をするそうです。なんて空気の読める子供達なのだろうか。

きっと自分がハイエナになったら即死ですね。

群れのルールなんて知ったこっちゃない、とか言って、階層に関係なく追放されると思う。

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