2021/08/23

自分を定義付けしない生き方

 

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昔は何者かになりたかった。そんなことをふと思いました。

自分はこういう人間で、こういうことが出来る人間である。

何らかの肩書き。保有する国家資格。手に職を持つ。もっと実際的にいえば、人としてのキャラクターが欲しかった。仲間の内ではムードメーカー的存在だ、とか、後輩によく頼られる兄貴的存在だ、など。

学生時代は、友達らしき者たちと一緒にいても、自分の立ち位置をいまいち定めることができませんでした。たまに皆んなをまとめるけれど、リーダーというほどしっかり者ではないし、たまに皆んなを笑わせるけれど、ムードメーカーというほど明るい性格ではない。結局のところ、自分は一体どういうキャラなのだろう? 自分でも自分の人間性がよく分からなかった。

そもそも、どの集団に属していても「属している」という感覚を味わうことができず、誰に指摘されたわけでもなく、自分はハミ出し者なのだと自然と自覚していた。自分は一匹狼。だけど、社交性が低いわけではないから、決して孤独な人間ではない。ただ、真に心を通わせることのできる相手が、誰一人としていないだけ。

そうした経緯があり、多くの人が学生時代に成す”アイデンティティの確立”というものを、成人以後へと随分と遅延させてしまいました。

 

 

国家資格取得を目指し、起業家になり、コピーライターになり、今は作家を名乗っています。

しかし自分は作家だ、と、自分自身を定義付けしないように気をつけています。本を出版しているため、便宜上、作家を名乗っているという意識を崩さないように。

何者かになりたいなどと散々、アイデンディティの確立に躍起になってきましたが、そんなことは大して意味がないのだと気がつきました。

自分は何者でもない。ただ本を書いて、人を楽しませる存在である。それでいいじゃないかと思う。

作家じゃなくても本を書いていいし、歌手じゃなくても歌を歌っていいし、ボランディアスタッフじゃなくても人を助けていい。

別に会社員がユーチューバーをやってもいいじゃないか。素人が漫才をやってもいいじゃないか。組織に属さない個人がアプリを開発してもいいじゃないか。

我が人生における役割はこれだ、なんて、自分を定義付けしなくても別にいいんじゃないかと僕は思います。みんなもっと、自由でいいんじゃないか、と。誰かを傷つけるのでなければ。

自分を定義付けしない生き方をすれば、この狭苦しい社会が、もう少しだけ広くなるんじゃないかな。などと思ったりしました。

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