2021/04/12

自分的ソーシャルディスタンス

 

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他人と社会的な距離を保とう。というのが用語の定義らしい。

相手が不快に思わないように。自分も感染しないように。そしてまた、自分が感染源になってしまわないように。

僕もそれなりに意識しています。人との距離を。

妙な争いに巻き込まれるのはゴメンだし、無用に相手の気持ちを逆撫でするようなマネはしたくない。

ただ僕は、他人との距離以上に、社会との距離もそれなりに保って生きています。

それこそが、自分にとってのソーシャルディスタンスです。

 

 

不登校になったことで生じたもの。それこそが社会との距離でした。

もはや自分はあの電車には乗れない。正規ルートへと復帰することはできない。外見上はできたとしても、仮面の下に隠した相手の本音までは変えることができないから。

そうやって距離が生まれたことで、初めて社会というものを外側から眺めることができました。井の中の蛙大海を知る。レールの外側にはこんなにもたくさんの線路があったんだ。

一本道に見えていた線路は、単に電車の進むスピードが早く、景色が歪んでいただけで、立ち止まって見てみれば、周囲には無数の線路が広がっていたのです。

しかもそこには、意外とたくさんの人がいました。

勝手にレールを引き、自分たちで電車を動かしている。「こんな景色も観られるよ」とパンフレットまで案内してくれている。それは面白そうだな、と乗ってみると、たしかに観たこともない景色を拝むことができました。

そして到着した先には、また別の線路が広がっていて、無数の行き先が案内されている。無数の景色が用意されている。

なかには「行き先は保証しません」と書かれた線路まであった。途中で切れてるから、その先はお前が勝手に作れ、ということらしい。

そうして外れたルートを楽しんでいたら、そのうちに正規のルートが見えてきました。線路が平行になった時に、横並びで走る向かいの電車が確認できた。そこに乗車している人たちの顔も。その電車の角ばった規則正しい外観も。

その時に僕はこう思った。

「これくらいの距離がちょうどいいな」

自分は、正規ルートから少し外れたこの線路を走る電車に乗っていこう。

ここから眺める景色が、もっとも自分の人生を心地よくしてくれそうだ、と。

 

「ソーシャルディスタンスを保とう」

その言葉は、自分に過去の体験を思い出させました。

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