2020/08/03

隠されていた野望

 

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『威圧』について・・

このテーマもそろそろ終わろうと思うが、
最後に二つ、僕が過去に一番ムカついた、
忘れられない体験を二つ書こうと思う。

そのうちの一つだ。

僕は公認会計士試験に不合格となった後、
数ヶ月ほど以前にお世話になった飲食店でアルバイトさせてもらっていた。

その飲食店は19の時に一度お世話になり、
礼儀や一般教養など社会人として様々なことを指導していただいた。

その時一緒に働いていた3つ上の先輩は店長になっていた。

それに対し、僕は、
28歳にして職歴もスッカスカの無職のニート。

「お前、これからどうするんだよ・・?」

という哀れみにも似た視線を感じた。

しかしそんな事を他人に言われるまでもなく、
僕自身がもっとも自分の将来に危機感を抱いていた。

(このままじゃマズイ・・どうする?)

自問自答の日々はしばらく続いたが、
どうにか「起業」という道に活路を見出した。

僕は店長にその旨を伝えた。

”僕はずっと何者でもなかった。
そんな自分を変えたい。
起業家として自分の存在を証明したい”

そのような熱い気持ちも添えて・・

しかし僕の話を聞き終えた店長は、
表情一つ変えずにこう言った。

「何を言ってるのかサッパリ意味がわからんけど。
まあとにかく、まだ辞めるのはもったいないと思う」

久しぶりに人間に対して殺意を抱いた。

それから1年後に風の噂で聞いた。

”あの店長が独立して自分の飲食店をオープンさせた”

その事実を聞いた時にすべてが繋がった。

要するに、僕が熱い気持ちを告白したあの時、
店長自身も起業するつもりだったのだ。

そしてあの時に水面下で準備を進めていたのだ。

だけどあそこで僕に辞められると、
次期店長候補が店から一人減ってしまうので、
そのシワ寄せで自分が退職できなくなる事を懸念していたのだろう。

その不安があの威圧の言葉となったわけだ。

自分の会社を軌道に乗せるまで何度も店長の顔が思い浮かんだ。

やる気がない時は、
店長にバカにされる場面が頭に浮かんだ。

その度に僕は、
「クソッタレ! 負けるか!」
と気持ちを奮い立たせていた。

そのお陰でいつの間にか僕は従業員を抱える経営者となっていた。

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