2020/08/03

オレの生徒だ

 

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『威圧』について・・

2年前に大規模なセミナーを開いた。

舞台に登壇したのは僕だ。

以前にやっていた個人で始められる貿易事業について、
自分がそれまでに蓄積した数年間のノウハウを、
すべて公開するためのセミナーだった。

いわば自分の数年間の集大成だ。

ビジネススクールの講師をやっていたものの、
僕自身は誰かに指導を仰いで事業を成功させたわけではない。

やり方だけ学び、あとは自身で試行錯誤して成功させた。

だから、僕の築き上げた事業のノウハウは、
完全なるオリジナルだった。

脳みそに汗をかき、頭を掻きむしりながら、
死に物狂いで導き出した答えの数々が詰まっていた。

だからこそ簡単に誰かに教えるのは嫌だったし、
たとえお金をもらっても、このノウハウを公にするのはご免だった。

が、僕はもうビジネスの世界から引退することを決めた。

このまま誰にも公開せず、
活用されないまま消えてしまうのはもったいないと思った。

ノウハウは使ってナンボだと思った。

そこで最後に、自分がこれまでに積み上げた「叡智」を、
以前に在籍していたビジネススクールの生徒に伝授して、
それから引退しようと決めたのだった。

ところが、この企画は現講師陣の猛反対にあった。

「そんなものは必要ない」
「ノウハウは私たちが既に教えている」
「生徒を混乱させるだけだ」

反発されると思っていなかった僕は驚いた。

むしろ喜ばれると思っていたくらいだ。

自分たちが教えているノウハウに外部者のノウハウが加わることで、
スクールの指導内容に厚みが生まれるとイメージしていた。

だけどそれは「余計なお世話」という事だったらしい。

運営側の「ぜひお願いします」という言葉に対し、
現場の講師陣は最後まで歓迎してくれなかった。

ただ運営側は方針を変えなかった。

結局、共同開催という形でセミナーをすることになった。

開催したセミナーは大盛況だった。

2日間で120名近い生徒が参加した。

開催時点のスクール在籍者は50名だったため、
たくさんの卒業生たちがこのセミナーに参加したらしい。

運営側から大変に感謝され、このセミナーは幕を閉じた。

あの反発は、
「親戚に我が子を躾けられるような気持ち」
から出たものだったのだろう。

ウチの教育方針に口を出すな、という事だ。

自分が育てた生徒に余計なことをされたくなかったのだ。

だけど生徒以前に、相手はお客さんだ。

何を購入して、何を学ぶかを選ぶのはお客さん自身なのだ。

「オレの生徒」なんていない。

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