2020/08/03

全否定の男

 

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『威圧』について・・

過去にムカついた忘れられない体験、
そのうちの二つ目。

僕には一回り以上、歳が離れた同期社員がいた。

とにかく「嫌な奴」だった。

過去に出会った人間のうち、
もっとも嫌な奴だったかもしれない。

その発言はいちいち上から目線で偉そうで、
皮肉屋でヒネクレ者で人からヤル気を奪うタイプだった。

僕を含めた若い20代の社員が会議で発言すると、
必ずそれを嘲笑して否定する。

たしかに僕たち若い社員の発言はちゃちな内容が多かった。

感情に任せた個人的な意見も多く、
若さゆえの荒々しい考えばかりを口にしていた。

円滑な組織運営を助ける建設的な意見ではなかったと思う。

しかしその人の口から飛び出していたのは、
まさに他人のヤル気を削ぐ言葉の彫刻刀だった。

ある時、店のパソコンで管理していた、
エクセルの表を更新する機会があった。

このエクセルの表には計算式が一つも入っておらず、
誰もが無理くり、コピペなどで更新させていた。

だから僕は、この機会に計算式を入れて、
今後も簡単に表を更新できるようにしようと考えた。

しかしその様子を隣で見ていた例の人物が言った。

「お前、何様だ。勝手なことするな」

そして僕から席を奪うと、
いつも通りにコピペで表を更新し始めた。

僕の行動は、この人に全否定されたわけだ。

具体的に言いはしなかったけど、
「お前ごときが何をほざいてやがる」
というメッセージが僕には伝わってきた。

僕はあの時、目の前にあった同期の背中に、
ボールペンを突き刺してやりたい衝動にかられた。

その後、僕はこの不動産屋を退社して
公認会計士試験に挑戦していたわけだが、
あらゆる場面であの人の顔が思い浮かんだ。

模擬試験の点数が悪かった時や、
難しい論点につまづいて何時間も悩まされた時、
あるいは合格しても就職難で未来は暗いと知った時など・・

ニヤついたあの人が僕を嘲笑する映像が頭に浮かんだ。

そしてその度に僕の心は奮い立たされ、
机に向かう集中力を手にすることができた。

そう・・だからあの人は、
僕に勉強を継続させる為に僕を嘲笑したのだ。

僕をムカつかせて、反発させて、
僕の潜在能力を引き出す為に僕を威圧したのだ。

だから忘れられないほど僕をムカつかせたあの二人とは、
僕をチャレンジ成功へと導いてもらう為に出会ったのだ・・

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